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コンクリート住宅と湿度(結露)

先日お客様が来た時にコンクリートの家は湿度が問題になるんですよね。
という質問をいただきました。

コンクリートと湿度は2つのメカニズムがあります。
1,コンクリートを練り混ぜるときに使う水に由来する湿度。
2,外気温との差で発生する結露。

目次

コンクリート由来の湿度

1,のコンクリート製造由来の湿度は基本的に避けるすべがありません。
2~3年もすれば湿度はかなり減るのでその間躯体のままにしておけばいいのですが、そういうわけにはいきませんよね。
詳細なメカニズムは産学連携を行っている大分大学の先生に聞いてみようと思いますが、遅く反応するセメント成分が水を消費するのではないかな、と考えています。それか自然乾燥でしょうか。

これはエアコンや除湿器を用いた積極的な除湿を行ってもらう必要があり、施主の方の協力が必要です。
特に問題になるのは湿度の高い梅雨や夏場です。冬場は逆に湿度が高く維持されて快適感があると思います。

結露由来の湿度

2,の気温差で発生する結露、は外断熱にすることにより簡単に解決します。
日本の99%のコンクリート建築物は内断熱、もしくは無断熱です。
これでは冬場、冷たい外気を吸収し室内に伝えようとします。内断熱では数センチの厚さの断熱材がせいぜいですので、この冷たいエネルギーを食い止めることができません。そして室内の温かく湿度の高い空気と出会い結露が発生するのです。

外断熱ではコンクリートの構造をぐるりと断熱材で取り囲みます。そうすることにより冷たい外気がコンクリートの躯体に伝わるのを防いでいきます。外断熱の場合断熱材を10㎝でも20㎝でもできますので、冷たい空気をシャットアウトできるんですね。厚いダウンジャケットをイメージしてください。厚さが10㎝や20㎝ですよ!すごく温かいと思いませんか?

外断熱コンクリートの躯体は室温を吸収します。外は分厚い断熱材に守られています。そうすることによりコンクリートの躯体は巨大な蓄熱体となり室温を安定させようとします。

断熱材は実際のところ熱伝達遅延材ですからゆっくりと外の温度が伝わってきます。その時に室温を吸収した熱もゆっくりと断熱材を伝わって外に出ていこうとします。その温度差が極めてゆったりとしたものですから、結露が室内で発生しないのですね。

グラスウールのような繊維系断熱材は湿度が高い場合外断熱材内での結露の可能性が否定できません。そのため濡れないように等質性をもつ防水シートで守り、その外側には通気層を設け風通しを良くします。
このあたりのことはまたじっくりお話ししようと思います。

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